カンボジアにトマトの栽培の技術指導に行ってきました。
- 吉見 敦司
- 2018年1月17日
- 読了時間: 3分
2015年1月26日
カンボジアにトマトの栽培の技術指導に行ってきました。
稲作が中心で、野菜栽培が盛んではないカンボジア。そもそも農業技術は5,60年前からほぼ進歩していなくて、耕すのは人力と水牛、肥料は牛糞程度の粗放的農業。人口の8割の農民は今なお厳しい貧困を余儀なくされています。
そのカンボジアでの農業振興の民間のプロジェクトに、縁あって昨年からかかわるようになりました。 その第一弾としてトマトの栽培の普及を目指すということで、マニュアルの作成などに助言をしてきたのですが、先日現地に指導に行ってきました。
学生時代は登山や旅行でアジアに良く出掛けたのですが、以来20年ぶりの海外、成田空港とか飛行機とか、それだけでも盛りあがってしまいます。機内食をおかわりしまくったあのころが懐かしい。
夕刻プノンペンに到着。今回の目的は、技術の直接指導と、気候や土質がトマト栽培に適しているのかの確認なのですが、夕方なのに30度を越えそうな暑さに早くも不安になります。
翌日、プノンペン郊外で建設中のハウスへ、まずは土質のチェック。11月からの乾季でほとんど雨が降っていないので、表面はカラカラに乾いていますが、15cm下くらいからしっとり湿り気を帯びてきます。腐植の少ない粘土質ですが、かといってガチガチに硬いわけでもないので、とりあえず何とかなりそうです。
潅水設備の設置の仕方を助言して、次はトマトの播種。今回は日本の大玉の品種を使います。 カンボジアで栽培されている品種はタイやベトナムの品種らしく、来てから食べてみましたが皮が硬くて全く味のないものでした。日本の品種でカンボジアの気候と土にどこまで対応できるか、チャレンジです。
続けて、米ぬかのボカシ肥料とモミガラの堆肥の作り方の指導です。稲作は盛んなので、手に入りやすい資材を使っての肥料の自給です。こちらでは、有機物を発酵させて肥料にするという発想がないようで、翌日に手を入れると「アチチ!」となるほど熱を帯びた材料を見て、現地のスタッフは驚いていました。日中は35度以上になるので、発酵肥料作りも難しさがあります。
最近、カンボジアにも外資の化学肥料や農薬が入り始めています。農薬の使い方などは、系統だった指導はされていないので、適正な使い方がされているかどうかは甚だ怪しいです。今回のプロジェクトでは、化学肥料や農薬をできる限り使わず、地域にある資材を有効利用して栽培する技術の確立を目指します。
カンボジアでは、気候の厳しさもあって野菜の自給率が低く、贅沢品です。貧しい農村部ではそれが栄養不足につながり、疾病や高い乳幼児死亡率の一因になっているそうです。
微力ながら、少しでもカンボジアの農業振興にご協力できればと思います。来月、もう一度定植~その後の管理の指導に行ってきます。



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